キリマンジャロ

キリマンジャロ登山への道② 持ち物編

キリマンジャロ登山記事第一弾では、キリマンジャロがどんな山か、登山ツアーはどのようなものなのか、どういうルートがあるのか、などについてご紹介しました。

キリマンジャロ登山記事第一弾はこちら↓

キリマンジャロ登山への道 ①基礎知識編みなさんは、海外で登山をしたことはありますか? もしかすると、「海外登山」と聞くだけでハードルが高く感じる人もいるのではないでしょうか...

さて今回は、実際にツアーの予約をした、航空券も取ったけど、どういう準備をすればいいの?という疑問に答えるべく、まずはキリマンジャロ登山の持ち物について紹介していきます。

 

前提知識

冬山装備は不要

キリマンジャロは6000 m弱の標高を誇る山ですが、頂上の登山道でも積雪はほとんどありません。したがって、アイゼンやピッケルなどの冬山装備は必要ありません

防寒着が必要

キリマンジャロの麓の町・モシは赤道に近いため、1年を通して気温は25〜35℃程度と温暖です。

しかし、キリマンジャロの頂上付近では非常に冷え込み、マイナス15度程度にもなることもあります風が吹けばさらに体感温度が下がることにもなります

日本の冬山であれば、動いているうちに身体が温まってきますが、キリマンジャロの場合は高山病で体力が著しく落ち、動きが鈍くなるためになかなか温まりません。

したがって、しっかりとした防寒着が必要です。

一方、標高の低いところでは気温が上がってくるため、気温に合わせた服装ができるようにしておく必要があります。

重くしすぎない

あまり重くしすぎると、ポーターが追加になってしまいます。

ツアー会社からは、預け荷物は15 kg以内にするようにと言われました。

預け荷物と自分で持つ荷物を分ける

行動中はポーターに荷物を預けます。

したがって、ポーターに預ける荷物と自分で持つ荷物を分けてパッキングする必要があります。

自分で持つ荷物の中には、その日の行動中に必要なもの(水・行動食・昼食・防寒着・レインウェア・小物類)や貴重品を入れます。

ポーターに預ける荷物は必ずしもザックである必要はなく、ダッフルバッグ・ボストンバッグ・スポーツバッグなどに入れても構いません。

いずれにしても雨対策のため、中身をビニール袋に入れるなど、防水対策はしておく必要があります。

雨ではありませんが、僕の友達は、ポーターが荷物の中に勝手に自分のコーラを入れたために、荷物の中に漏れてしまった経験をしました(笑)

何かあったときのために、防水対策はしておきましょう(笑)

また、行動中はポーターは先にキャンプ地に行ってしまい、一緒に歩くのはガイドのみとなります。行動中に必要なものまでポーターに預けてしまわないように気をつけましょう。

 

持ち物一覧

ここからは、ツアー会社のアドバイスと自分の経験を踏まえて、キリマンジャロ登山に必要な持ち物を挙げていきます。

持ち物に正解はありませんので、あくまでも参考程度にとらえてください。

衣類

シャツ

速乾性のもので、長袖2枚・半袖3枚もあれば十分です。もしくはそれ以下でもよいでしょう。

個人差はありますが、乾燥していて思ったよりも汗をかかないのでそんなに着替える必要もないかと思います。

速乾性のものが大事な理由はこちら↓

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靴下

登山用の厚手の靴下を持っていきましょう。

防寒着

・防寒用アンダーウェア、ジャケット、ズボン

・セーター、フリースなど

厚手の手袋

頂上アタックの日は非常に寒く、手袋の選択を失敗すると手指が凍えて大変です。

僕も薄めの手袋を選んでしまって苦労しました。

ニット帽、ネックウォーマー

頭や耳、首を冷やさないため。

バラクラバ(目出し帽)を装着する手もありそうですが、空気が薄く呼吸がしにくいと思います。

帽子(日よけ用)

空気が薄いので、紫外線が非常に強いです。

レインウェア

ゴアテックスか、その他防水素材のもの。安物のビニール製は汗で蒸れてびしょびしょになり不快です。

レンタルができる場合もありますが、防水性が心配です。ケチらないほうがよいでしょう。

 

装備

寝袋(シュラフ)

頂上アタックの前は標高4,800 m程度の場所で寝ることになるため、暖かいものが必要です。ツアー会社では、ダウンハガー#1レベル(モンベルの場合)を推奨していました。

しかしながら、キリマンジャロ登山だけのために高い寝袋を買うのは非常にもったいないです。

僕はスリーシーズン用の寝袋2つと寝袋用のライナーを持参し、標高の低いところでは寝袋一つ、頂上アタック前夜には寝袋2つとライナーを重ねて対処して、全く問題ありませんでした。

寝袋2つ持ってる人は少ないと思うので(笑)、1つはツアー会社からレンタル、1つは自分のを持っていって重ねて使うのがよいかと思います。

マットレス

テント泊の場合。かさばるのでツアー会社でレンタルしました。

空気が薄いので、膨らませるタイプだけはやめておきましょう。

水筒

行動中や夜に飲む水を入れておくものです。

キリマンジャロでは高山病対策のため、大量の水を飲みます。ガイドからは道中で3 L飲めと言われました。一日通してじゃなくて道中ですよ(笑)

国立公園の規定で、ペットボトルは持ち込み禁止です。プラティパスやキャメルバッグのような折りたたみしやすいものがよいでしょう。

ハイドレーションを使ってもよいですが、頂上アタックの日だけはホース部分が凍りついて使い物にならなくなるため気をつけましょう。

また、行動中や夜にお湯や温かい飲み物が飲みたい場合は、サーモス(テルモス)があれば便利です。個人的には、お湯は飲むのに時間がかかり、行動中には飲んでいられませんでしたので必要なかったです。

登山靴、スパッツ

頂上付近は砂利や砂が多く、また非常に寒いため、ミドルカットやハイカットの登山靴とスパッツが必須です。

標高の低いところと高いところで登山靴を使い分ける人もいます。

テント場用靴

キャンプ地についてから使う履き物です。百円均一のクロックス的なもので十分です。マチャメルートの場合、キャンプ地ではトイレが非常に汚い(笑)ので、現地で使って現地で捨てていくのがよいかなと思います。

ストック(トレッキングポール)

標高が高くなるにつれ、高山病で身体がふらつきます。身体を支えるために持っておいたほうがよいです。

デイパック

行動中の持ち物を入れておくザックです。25〜30 L程度で十分です。

必要に応じてレインカバーも。

ヘッドライトと予備電池

夜と頂上アタックのときに必要です。予備電池は必ず持っていきましょう

サングラス

標高が上がるにつれ、日差しが強くなります。眼を守るため持っていきましょう。

ビニール袋

パッキングのときの防水用に使います。また、ゴミ袋にもなります。(ゴミは回収してくれます

ボディシート、ウェットティッシュなど

砂ぼこりで身体が汚れるので、あったほうがよいでしょう。

 

食料

行動食

食事は3食きっちり、十分すぎるほどの量が出ますが、行動食は自分で持っていく必要があります

普段登山をする人は、いつも自分が食べているものを日本から持っていくとよいです。現地の町でも買えます。

また、高山病で徐々に食欲が落ちてきます。食欲の落ちたときでも何とか口に入る、ゼリー飲料(ウィダーインゼリーなど)があるとよいです。

食事は3食きっちりと言いましたが、頂上アタックの直前だけは食事が出ません。食べる時間もそんなにありませんが、そんなときのためにもゼリーなどがあればよいでしょう。

粉末飲料(ポカリスウェットの粉など)

高山病対策のため、大量の水の摂取が必須です。

粉末飲料があったほうが、ただの水より飲みやすく、吸収もよいと思います。

僕は水だけで頑張りましたが、なかなか飲むのに苦労しました。実際、十分量の水が飲めませんでした。

食べ慣れた日本食

基本的には出された食事を食べますが、高山病で食欲が落ちてくるとどうしても慣れない現地の食事を受けつけないときがあります。

僕は、最終日の朝のおかゆ(現地のおかゆは甘い味付け)が受けつけず、味噌汁を作って飲みました。

味噌汁やカップ麺、カリカリ梅など持っていくと重宝します。

 

その他

日焼け止め

頂上付近は空気が薄く、紫外線は強烈で、日焼け止めは必須です。

唇に塗る用も持っていきましょう。僕は唇に塗らなかったので、相当荒れました(笑)

トイレットペーパー

主にトイレ用。現地でもくれましたが、あまりきれいではないので、自分用があってもよいでしょう。

歯ブラシ

毎朝、洗面器にお湯を入れて石鹸とともに渡してくれます。それで顔を洗ったり歯を磨いたりします。

石鹸がOKなぐらいなので、歯磨き粉もOKだろうということで、歯磨き粉も使ってました。(日本の山だと普通はダメですね)

タオル

汗拭き用、洗面用です。手ぬぐいでもOK。

カイロ

必要に応じて。頂上付近の寒さを考えると持っていったほうがよかったなと思います。

カメラとバッテリー

気温が低くなるとバッテリーの消耗も激しくなるのでバッテリーは多めに。

夜は星がきれいです。星を撮りたい場合は三脚があってもよいでしょう。

ノート、ペン

旅の記録用。

薬類

胃腸薬…高山病で消化機能が落ちるので念のため。

頭痛薬バファリンA(アセチルサリチル酸が入ったもの)など。

高山病の薬ダイアモックス(物質名:アセタゾラミド)などを必要に応じて処方してもらいましょう。

ブリーズライト鼻腔を広げるために鼻に貼るもの。就寝中、標高の高いところでの登山中など、呼吸がしやすくて楽に感じました。

目薬…砂ぼこり対策に必要に応じて。

バンドエイド、消毒液…必要に応じて。

その他常備薬

浄水用の器具

出された水はそのまま飲めますが、どうしても気になる方は登山用の浄水器を持っていきましょう。

パルスオキシメーター

指に挟んで血中酸素濃度(SpO2:経皮的動脈血酸素飽和度、SはSaturationの頭文字)を測る器械です。

必須ではありませんが、自分の体調を把握しながら登るためにあると便利です。ガイドが持っている場合もありますが、持っているとは限りません。

僕は8,000円程度のものをAmazonで買って持っていきました。

SpO2は通常は98-99%程度あり、95%以下になると呼吸不全が疑われますが、高山ではもっと下がります。

僕は登山中、70%を切ったことがありました。

 

 

以上、キリマンジャロの持ち物を書き出してみました。

今後も、どんどんキリマンジャロ登山の情報を公開していきます。