前回は、僕がニュージーランドを初の海外自転車旅の旅先として選んだ理由をお話ししました。
旅のきっかけの記事はこちら↓
今回は、ニュージーランドを自転車で走るための具体的な準備についてお話しします。
いつ走るか?
気候の特徴
ニュージーランドは南半球にあるため、もちろん季節は日本と逆です。また、南に行くほど寒くなります。
しかし、1年を通してそんなに気温差は激しくありません(年較差が小さい)。夏と冬の平均気温の差はせいぜい10℃程度です。
ただし、1日の気温差(日較差)は大きく、夏でも夜は冷え込みます。
僕は最初のニュージーランド旅行(南島)を旅したときに、夏用のペラペラの寝袋を持っていきましたが、テントの中で最大限着込んで寝ても寒くてたまりませんでした(笑)
ベストシーズン
1年中ニュージーランドにいたことがないので、全部の季節を比較することができませんが、夏は暖かく快適でした。
僕は、夏(2月)と秋(5月)に旅をしましたが、夏は旅人が多く、自転車で旅をしていても多くのチャリダー(自転車に乗って旅をする人のこと)とすれ違いました。
一方、秋は全くすれ違いませんでした。バックパッカーズなどの宿にはそれなりにいたのですが…。旅人、特に自転車に乗っていてチャリダーとの交流を楽しみたいのであれば夏がよいでしょう。
ただし、夏は宿が混んでいて直前だとなかなか取れません。クライストチャーチなど、宿がたくさんある都会はどこか空いている印象ですが、田舎のほうは宿が少なく難しいです。
キャンプ場にテントを張ることを選択肢に入れれば、直前でも寝床を確保できるので、柔軟に動きたい場合はテントと寝袋を持って動くとよいでしょう。
持ち物の準備
ツーリングに適した自転車
まずは自転車がないと自転車旅はできません(笑)
ツーリング用自転車として使える自転車の条件として個人的に考えられるのは、以下のようなことです。
・フレームが丈夫(荷物をたくさん載せるため)
・タイヤが太め(荷物をたくさん載せるため、未舗装路など走ることもあるため)
・キャリアがつけられるダボ穴がある(荷物を載せるため)
・ドロップハンドルである(長時間の走行でも疲れにくい)
ツーリング用自転車として使える自転車の種類としては、ランドナー・マウンテンバイク・シクロクロス・グラベルロードなどがありますが、ここでは詳細は省きます。
自転車の他に必要なもの
自転車用品
・フロントライト、テールライト
・携帯ポンプ、パンク修理セット、替えチューブ
・工具(六角レンチなど)
・キャリア、サイドバッグ
・ヘルメット
・鍵
・ボトルゲージ
・輪行袋
・チェーンオイル
・レインウェア
・サングラス(NZは日差しが強烈なのであったほうがよいでしょう)
・サイクルコンピュータ(必要に応じて)
・ボトル(必要に応じて)
・フロントバッグ(必要に応じて)
・サドルバッグ(必要に応じて)
・グローブ(あればベター)
キャンプ用品
・テント(キャンプする場合、ポールを忘れないように)
・寝袋、マット(キャンプする場合)
・バーナー(ホリデーパークにキッチンがあるので必須ではない、ガス缶は現地調達)
詳しい持ち物の説明は他の記事でまたしたいと思います。
その他の準備
自転車・キャンプ関連
基本的なトラブル対処法の習得
パンク修理とブレーキ調整はできるようになっておきましょう。自転車屋さんが近くにある状況のほうが少ないです。
試走
新しく買った自転車の場合、不具合がないかどうかの確認のため、数十kmくらいは日本で試走しておいたほうがよいでしょう。
輪行の練習
輪行とは、「遠方でサイクリングを楽しむために、自転車を分解して専用の袋に入れ、鉄道やバスなどの公共機関に持ち込んで目的地まで移動すること。」です(goo国語辞書より)。
ニュージーランドまでは飛行機輪行が必須ですし、現地ではバスなどに輪行で載せることもあるでしょう。
たとえ輪行に手慣れていても、新しい自転車の場合は一度試しに分解してみておいたほうがよいです。僕は後輪の不具合でどうしても外れず、出発前で助かったことがあります。
自転車、キャンプ用品の清掃
ニュージーランドに入国するとき、自転車や、テントなどのキャンプ用品は、きれいであるかチェックされます。種子など外来種を持ち込まないための決まりでしょう。土などの汚れは払っておきましょう。
帰国時には検査はありません。
宿の手配
ニュージーランドの宿には、ホテル、モーテル、B&B、バックパッカーズ、YHA(ユースホステルのことをこう言います)、ホリデーパーク(キャンプ場)などの分類があります。料金はバックパッカーズ、YHA、ホリデーパークが手頃です。
現地に行って自転車でどれくらい走れるか分かりませんし、柔軟に旅するために、最初の宿だけ取っておくくらいでよいでしょう。あとは、現地でi-Siteに行ったり、インターネットを使ったりして申し込めばよいと思います。
航空券
ニュージーランド航空が成田や関空からオークランド、クライストチャーチに直行便を出しています。その他、多くの航空会社が経由便を出しています。
直行便は経由便に比べ高めですが、ニュージーランド航空では独特の機内安全ビデオや、美味しいニュージーランドワインが楽しめたりします。
情報収集|ウェブサイトや書籍
インターネットには、ニュージーランドを自転車で旅した先人たちの記録がたくさん出ていますので参考になるでしょう。
本で僕がチェックしたのは、「lonely planet Cycling in New Zealand」(Scott Kennedy著、US$24.99)と「Pedaller’s Paradise」(Nigel Rushton著、NZ$15.99)で、いずれも英語の書籍です。
おすすめは、Pedaller’s Paradiseです。ただし、現地の書店にしか売っていません。著者に連絡を取って仕入れたという日本人にも会いましたが、基本的には現地で買う必要があります。
しかし、軽くて薄い(重さ130 g)割に、ニュージーランド各地の(本は北島と南島で各1冊ずつ)あらゆる道の距離と標高差、i-Siteや店、宿、交通機関などの情報が載っています。
一方、Cycling in New Zealandはルート例が少なく、重くて分厚い(重さ410 g)ため、あまりおすすめはしません。
交通ルールの違いを把握する
基本的な交通ルールは日本と同じです。左側通行という点も同じです。
現地に着けば何となくで走れますが、いくつか日本と異なる点を書いておきます。
信号が違う
日本の場合、赤信号に青矢印がある場合があります。
ニュージーランドの場合、各色の信号に各色の矢印があります。
例えば、赤信号の横に右向きの赤矢印があった場合、右には進めませんということです。
ラウンドアバウト
ロータリー式の交差点です。
ロータリーの中を右側から走ってくる車が優先で、右側から来なければ行っても大丈夫です。
ロータリーに入ったら、時計回りで自分の進みたい方向の道まで行って、ロータリーから出ます。
橋
なぜか橋だけは狭くて、1車線しかないところがたくさんあります。
手前に2つの矢印が書いてある標識があり、自分の方向の矢印が太い場合は進んでよし、細い場合は対向から来ている車に譲ることになります。「Give way」(道を譲れ)と書いてある場合もあります。
自転車用の右折レーン
車用の右折レーンのすぐ左に自転車レーンがある場合があります。つまり、道の真ん中で右折待ちができます。
この場合、車と同じように自転車も右折することができます。怖かったら二段階右折でもいいのですが…。
ヘルメット着用義務
ヘルメットの着用義務があります。必ず被りましょう。
踏切
日本と違って一時停止義務はありません。そもそも、そんなに踏切に出会う頻度も少ないですが。
一般道の制限速度は100 km/h
街中を除いて一般道の制限速度は100 km/hです。右側を車がビュンビュン走っていきますので、注意して走りましょう。
次回からは、実際に走った行程について書いていきます。