国内登山

祝登山解禁!浅間山(前掛山)レポート

2018年10月22日浅間山系の前掛山に登ってきました

8月30日に約3年ぶりに気象庁によって噴火警戒レベルが2から1に引き下げられ、登山ができるようになったばかりです。

またいつ登れなくなるか分からないので、これを機会に登ってきました。

 

今回は浅間山の概要、交通アクセス、登山コース、下山後の温泉などの解説をしたいと思います。

 

 

浅間山ってどんな山?

概要

浅間山は、長野県北部(御代田町・軽井沢町)と群馬県西部(嬬恋村)の県境にある山で、標高2,568 mあります。

日本百名山(深田久弥・1964年)・花の百名山(田中澄江・1980年)にも選定されています。

 

日本の多くの火山同様、成層火山で、遠くから見ると美しいプリンのような形をしています。(表現合ってるかな?笑)

「あさま」は火山を表す古語という説もあるくらいです。

火口付近は規制がかかっているため、噴火警戒レベル(後述)が1に下げられた現在(2018年8月30日以降)でも、火口付近には近づくことができず、登れるのは外輪山の前掛山(標高2,524 m)までです。

 

平年の初冠雪時期は10月末頃で、今年(2018年)は僕が登山した前日の10月21日に、平年より1週間早く初冠雪が発表されました。

 

浅間山の外輪山

浅間山の火口に近い内側の外輪山として前掛山外側の外輪山として黒斑山・蛇骨岳・仙人岳・鋸岳などが連なった山々があります。

外側の外輪山のほうが古い時期に形成されたものです。

黒斑山雪山登山の初級レベルとしても適していて、黒斑山から見る浅間山は絶景で、まるでパウダーシュガーを散りばめたガトーショコラのようです。

黒斑山山頂から見た浅間山(2017年2月25日撮影)

 

噴火警戒レベルについて

噴火警戒レベルとは、日本の各火山の活動状況に応じて必要な防災対応や警戒範囲を示すものとして気象庁が発表する指標です。

1(活火山であることに留意)から5(避難)までの5段階があります。

 

各噴火レベルでの火山の状況・浅間山での規制範囲を下の表に示します。

4(避難準備)と5(避難)については、周辺住民が避難準備または避難するレベルで、そもそも登山を考える状況にないと思うので、割愛します。

 

各噴火レベルでの火山活動状況・立入規制のまとめ

レベル火山活動の状況立ち入り規制等(浅間山の場合)

1

(活火山であることに留意)

火山活動は静穏。

火山活動の状態によって火口内で火山灰の噴出等が見られる。

火口付近立入禁止

火口から500 m以内規制

2

(火口周辺規制)

火口付近に影響を及ぼす噴火が発生、あるいは発生すると予想される。

火口周辺立入禁止

火口から2 km以内規制

3

(入山規制)

住居地域の近くまで重大な影響を及ぼす噴火が発生、あるいは発生すると予想される。

登山禁止

火口から4km以内規制

 

 

登山コース

主に2つのコースがあります。

 

車坂峠ルート(高峰高原ルート)

高峰高原ホテルのある車坂峠からトーミの頭(外側の外輪山の端)、湯ノ平口、賽の河原分岐を経て、前掛山に至るルートです。

最大標高差551 m (車坂峠1,973 m→前掛山2,524 m)

標準コースタイム(昭文社「山と高原地図」による):8時間40分

標高差は小さいですが、時間がかかります

浅間山荘ルート

天狗温泉浅間山荘から沢沿いに湯ノ平口まで歩き、賽の河原分岐を経て、前掛山に至るルートです。

最大標高差1,114 m(浅間山荘1410 m→前掛山2524 m)

標準コースタイム(昭文社「山と高原地図」による):6時間50分

標高差は少し大きいですが、時間は短いです。

 

下山後の温泉

車坂峠ルート

高峰高原ホテル温泉

入浴料金800円(夏季の場合)

入浴時間11〜18時

 

浅間山荘ルート

天狗温泉浅間山荘

入浴料金800円駐車場利用の場合200円引き

入浴時間11〜16時(宿泊客などの状況によって変わるので要確認)

 

交通アクセス

車坂峠ルート

公共交通機関の場合(夏季のみ)

JR佐久平駅(北陸新幹線・小海線)から路線バスで「高峰高原ホテル前」バス停まで約1時間、すぐ目の前が登山口 、片道1,380円

マイカー等の場合

上信越道・小諸ICから浅間サンライン、チェリーパークラインを経て車坂峠まで約16 km

駐車料金無料

 

浅間山荘ルート

公共交通機関の場合(夏季のみ)

JR佐久平駅から路線バスで「浅間登山口」バス停まで約40分(片道880円)、バス停からさらに未舗装路を徒歩1時間20分

マイカー等の場合

上信越道・小諸ICから約14 km(浅間山荘手前約4 kmは未舗装路)

駐車料金500円

 

公共交通機関の便はよくない

どちらのルートでも公共交通機関で日帰りするのは大変です。

バスの時刻表を一部抜粋して見てみると、一番早いバスで行って遅いバスで帰っても、…

 佐久平駅小諸駅浅間登山口高峰高原ホテル前
行き8:35→8:52→9:10→9:29
帰り17:30←17:10←16:38←16:19

行動時間は車坂峠ルートで6時間50分、浅間山荘ルートで7時間28分です。

車坂峠ルートなら速い人は何とかなりそうですが、浅間山荘ルートの場合は車道往復2時間半程度が追加されるので非常にきついと思います。

 

今回のアクセス方法

今回は、佐久平駅からレンタカーを使いました。

レンタカー店の概要

ニコニコレンタカー佐久平駅前店

・佐久平駅蓼科口から徒歩5分程度

・営業時間8:00~20:00

料金は2,940円(12時間、カーナビ付き、会員価格)+ガソリン代(500円程度)とリーズナブルでした。ただし、開店時刻が朝8時と少し遅めです。

前日は佐久平駅蓼科口から徒歩2分程度の健康ランド「佐久平プラザ21」に泊まりました。 入館料と深夜の仮眠を含め2,500円です。

 

今回の登山行程(浅間山荘ルート)

上り

朝9時前浅間山荘登山口に到着しました。

駐車場にいる係員に駐車料金500円を払って車を停めます。

平日にも関わらず、7〜8割は埋まっているような様子でした。

 

● 9:20 浅間山荘登山口

鳥居をくぐり、少し歩いたところで登山届を提出します。

Jバンド(外側外輪山の北の端)付近で残念ながら滑落死亡事故があったという情報が出ていました。

 

9:45 一ノ鳥居

一ノ鳥居からは分岐になっていて沢沿いの道(右側)と沢から離れた道(左側)がありますが、上りは沢沿いの道を歩くことにしました。

距離は沢沿いの道が1.0 km、沢から離れた道が1.2 kmです。

 

水の色が火山の影響か、黄色く見えます。

この沢は蛇堀川で、御代田町と小諸市の境界です。

樹林帯の紅葉もきれいです。

9:55 不動滝

10:00 二ノ鳥居

鳥居がないじゃないか、と思ったら崩れていました。

 

その先、茶褐色や黄土色の土が見られ、硫黄の匂いもしました。

10:35 火山館

浅間山噴火の際の避難施設にもなっています

 

10:50 賽ノ河原分岐 

さらに進むと、左側に外側の外輪山がそびえています。

急登を登っていきます。雪も少しついていました。

登山者のヘルメット装着率は2〜3割ってとこかな?

 

さらに進めば、前掛山の稜線が見えてきて、手前には火山対策用のシェルターがあります。写真ではわかりませんが、蒸気が噴き出しているところもありました。

 

11:50〜12:00 前掛山山頂

少し雲がかかっていますが、八ヶ岳、北アルプス方面もきれいに見えました。

下り

さて、ここから下山です。

 

12:40 賽ノ河原分岐

ナナカマドの実がなっています。

12:50 湯ノ平分岐

12:55〜13:10 火山館

お昼休憩を取りました。水場もあります。

剣ヶ峰がかっこいい。

13:35 二ノ鳥居

ここから分岐。下りは沢沿いではないコースを通りました。

13:45 一ノ鳥居

14:00 浅間山荘登山口

下山完了!

 

今回のコースタイムなど

・コースタイム約4時間40分(内、休憩約30分

 →休憩を除くと、標準コースタイムの約0.7倍

・水平移動距離約13.9 km

累積標高差約1,470 m

 

下山後の温泉

下山後は、登山口にある「天狗温泉」に入浴しました。

 

この温泉は、赤褐色の湯色が特徴です。タオルに色がつきます。その昔、天狗が温泉に入ったために温泉の色が赤くなったとか笑(こもろ観光局ウェブサイト情報)

成分としては、鉄(Ⅱ)イオンFe2+・カルシウムイオンCa2+・炭酸水素イオンHCO3が多めで、泉質は単純鉄(Ⅱ)冷鉱泉[炭酸水素塩型](弱酸性pH 5.7、低張性)です。

※ 鉱泉とは、25度未満の湧水のこと。冷鉱泉ともいう。

 

まとめ

・浅間山(前掛山)は噴火警戒レベルが下がった今が登山のチャンス。

・主なルートが2つあり、浅間山荘ルートのほうがコースタイムは短い。

・樹林帯の紅葉、沢や滝、断崖の景色の外輪山などさまざまな景色を楽しめる山。

・浅間山荘ルートの登山口にある天狗温泉は、赤褐色の特徴的な温泉。