僕はアフリカ最高峰・キリマンジャロに2回挑戦してきました。
キリマンジャロ登頂ルートは複数あるので、2回とも違うルートから攻めました。
・1回目は2018年2月にマチャメルートで、途中のステラポイント(標高5,756 m)で撤退。
・2回目は2019年1月にマラングルートで、最高地点ウフルピークまで登頂成功。
キリマンジャロの最高地点のウフルピークは、標高5,895 m。約6,000 mありますので、いずれのルートも高山病などできついことには変わりありません。
しかし、ルートによって違いがあります。
キリマンジャロのメジャーな2ルート、マラングルートとマチャメルートを比べれば、マラングルートのほうが比較的楽に登れます。
今回は、初心者にマラングルートがオススメな理由を、マチャメルートと比較しながら解説します。
マラングルートが初心者にオススメな理由
1. ルートが比較的なだらか
これはとても大きなメリットです。
キリマンジャロ登山では、頂上アタックの日のスケジュールがとてもハードです。
「前日の昼または夕方にキャンプ地に到着したら夕食を食べて就寝、約3〜4時間で深夜11時頃に起きて支度をし、12時頃出発、朝頂上に着いてキャンプ地まで戻り1時間程度休憩し、さらに下のキャンプ地まで下る」
といった感じで、15時間前後の行動時間を必要とします。
そこで、いかにこの日のために体力を温存しておくかが大事になってきます。
そのためには、この日までの行程は楽に越したことはありません。
マラングルートは、頂上アタック前の3日間の行程は比較的なだらかです。
一方、マチャメルートはアップダウンが結構あります。詳しい行程はここでは省略しますが、一度谷のほうに下りてまた上がったりするような行程があり、高山病で体力が低下していれば割ときついです。
2. 快適な山小屋に泊まれる
マラングルートはキリマンジャロ登山各ルートの中で、山小屋泊ができる唯一のルートです。
それも、日本の山小屋のように他人同士でがひしめき合って寝て、混雑時は布団を共有しなければいけないような、プライバシーのない環境ではなく、個室が何棟もあって、グループごとに個室で寝られるような環境です。それも結構おしゃれです。
寝袋で寝ますが、テントで寝るよりも体力の消耗具合は少ないでしょうし、夜の冷え込みも少しは抑えられていると思います。
3. トイレが綺麗
高山病予防には大量の水を飲むことが重要で、そのために何度もトイレのお世話になることになります。また、個人差がありますが、高山病で消化機能が低下し、下痢や嘔吐でトイレに駆け込むこともあります。
マラングルートはトイレがきれいです。特に、1日目のマンダラハット、2日目のホロンボハットでは水洗トイレが使えることに驚きました。
3日目のキボハットには水源がないため、水洗ではありませんが、それでも割ときれいです。
一方、詳細は省略しますが、マチャメルートのトイレはお世辞にもきれいとは言えません。
4. 日本人が比較的いる
時期にもよると思いますが、マラングルートでは日本人をときどき見かけました。
あまり日本人が多いのも非日常感が薄れて萎えますが、たまに同じ日本人と話すのも楽しいものです。
同行者は、惜しくも登頂断念したと思われる日本人に励まされ、その人の分もと思って頑張れたそうです。
5. 短期間で登れる
マラングルートは4泊5日、マチャメルートは5泊6日が標準的な最短行程で、マラングルートのほうが1日短いです。
マラングルートのほうは、もう1日追加(ホロンボハットに2泊)して、高度順応に充てることもできます。
4泊5日で登るとすると、日本から9日あれば登れます。モデル行程は、
・1日目 :日本出発
・2日目 :タンザニア到着→モシ市内泊
・3〜7日目:登山
・8日目 :タンザニア出発(フライトが夕方なら半日サファリもおすすめ)
・9日目 :帰国
といった具合です。
とはいえ、マチャメルートを選択するメリットは?
1. 景色の変化がある
マラングルートは平坦な一方、景色が単調で、人によっては飽きてくるかもしれません。
マチャメルートのほうがアップダウンもある分、単調にはなりにくいでしょう。登りと下りでルートも違います。(下りはムウェカゲートに下ります)
キボ峰(キリマンジャロのメインの峰)の横をぐるっとまわるイメージなので、星の写真を撮っても映えますよ。
2. テント泊でワイルド?に登山できる
できるだけ文明の利器?を使わずに、ワイルドに登山したい!ならテント泊ルートのマチャメルートを選択するのもよいかもしれません。
3. マラングほどメジャーじゃない
皆があまり登っていないルートのほうがいい人には、マラングルートよりもメジャーではないマチャメルートは魅力的でしょう。
まとめ
多くの人は、「一生に一度のキリマンジャロ登山、ぜひ登頂したい」という気持ちで登るでしょう。
そのときに、体力に自信がないけど登頂率を少しでも上げたい、と思うのであれば、マラングルートが賢い選択だと思います。
が、ひとつの提案ですので、ぜひ皆さんに合ったルートを選んで楽しくキツイキリマンジャロ登山をお楽しみください!