前回は、マチャメルート3・4日目の模様をお伝えしました。
記事はこちら↓
今回は、マチャメルート5・6日目です。
5日目が頂上アタック日でしたが、高山病がひどかったため結果的に頂上までは行けず、途中の別のピーク(ステラ・ポイント)で引き返すこととなりました。
同行者は元気に登頂して帰ってきました(泣)
登山5日目
最も行程の長い一日
この日はマチャメルートのハイライト。頂上アタックの日です。
マチャメルートの全行程6日間のうち、最も行動時間・距離が長く、つらい1日です(笑)
休憩含めて16時間以上!
標高4,673mのバラフ・キャンプ(Barafu camp)から、ステラ・ポイント(Stella point、5,749m)を経て、最高点のウフル・ピーク(Uhuru Peak、5,895m)に登頂し、またバラフ・キャンプまで戻り、少し休憩した後、ムウェカ・キャンプ(Mweka camp、3,068m)まで下りてくるルートです。
結果的には、残念ながらウフル・ピークまでたどり着くことができず、ステラ・ポイントまでの登山となりました。
日付が変わる前には出発
起床は23時(!)でした。
前日からすでに高山病の症状がかなり出ていたので、出発の準備だけで息切れをする状態でした。
持ってきたパルスオキシメーターで、SpO2(血中の酸素濃度)を測ると75。
ガイドからは、何とかゴーサインが出ました。
70を切っているとおそらくこの時点で出発を許されていなかったでしょう。
23時50分、バラフ・キャンプを出発。
ここからの行程では、デイパックをガイドが持ってくれました。至れり尽くせり。
すでに高山病の症状がかなり出ていたので、最初からかなり息苦しい状態でした。呼吸がうまくいかずパニック状態に陥りましたが、ゆっくりとした呼吸を意識し、上りの終盤では何とか落ち着きました。
身体が温まらないので寒さ対策は重要
赤道に近いとはいえ、深夜の標高5,000m級なのでさすがに寒いです。頂上アタックの出発時はマイナス3℃程度、頂上はマイナス10℃程度まで下がるようです(参考サイト)。
日本の冬山であれば、高山病の症状は基本的にほとんどなく活発に動けるため、登っている途中に身体が温まってきますが、キリマンジャロでは高山病により体力が落ち、ゆっくり動くことしかできません。したがって、身体が全然温まらず、末端を中心に冷える一方です。
指先が冷えるため、手袋はとても重要です。念のため使い捨てカイロがあっても安心です。
今回は特にひどい高山病により、4秒に1歩しか歩けませんでした(遅い!)。
この10ヶ月後にマラング・ルートでリベンジしますが、そのときは日本で登山するときとあまり変わらないスピードで歩けたので、今回は特別ひどかったといえます。
ひどい高山病の中、奇跡的にステラ・ポイントに登頂
上りの途中、6時頃にムウェンジ峰のほうから朝日が見えました。
その後、ステラ・ポイントの看板が見えてきました。非常にゆっくりとしたペースなので、見えているのに遠く感じるのがとてもつらいです。
8時。何とかステラ・ポイント(標高5,756m)まで到達。バラフ・キャンプからここまでの標準コースタイムが6時間程度なので、相当かかりました。
これ以上はデンジャラスだというガイドの判断で、ここでやむなく下山です。
標高にしてあと150mアップだったので悔しい。でも一応、アフリカ最高峰・キリマンジャロの一つのピークには到達したことは事実です。このひどい高山病の中ではある意味奇跡かも。
バラフ・キャンプへ下山、下りは暑さと日差しに注意
写真を撮ったらすぐに下山。
しかし、上りで体力を振り絞って使ってしまったため、下山の体力が全くと言っていいほど残っていませんでした。
といっても、無理やりにも下山しないと、高山病の症状はひどくなるばかりなので、息苦しい中、無理やり引っ張られて下山しました。
上りとは違い、下りは日が昇ってきて暑くなります。日差しもとても強いため、日焼け対策をしていないととんでもなく焼けます。
日焼け止めは重要です。唇も焼けるので忘れずに。とはいえ、高山病でつらい中、日焼け止めを塗る気力・余裕もないのが実際ですが(笑)
寒さ対策をしっかりしている上りの服装のままではとても暑いため、脱いだほうがいいです。
休憩してさらに下山
10時45分頃、バラフ・キャンプに到着。
すぐに、倒れ込むようにテント内で仮眠を取りました。
非常に暑く、熱中症に近い状態でした。
11時50分頃、ランチが出ました。もちろん、ほとんど食べられず。
そして、12時50分頃、バラフ・キャンプから出発。まだゆっくりしか動けず。
息苦しいとガイドに伝え、またしても引っ張られたり、肩を貸してもらったりして下山することに。
女王様のようだ(Like a queen)といじられながら(笑)
ちなみに、マチャメ・ルートの場合、出発地点のマチャメ・ゲートに下りていくのではなく、ムウェカ・ルートの一部を通り、ムウェカ・ゲート方面に下りていきます。
14時30分頃、標高3,950mのハイ・キャンプ(High Camp)。
(↑写真は友人Y提供)
16時10分、標高3,100mのムウェカ・キャンプ(Mweka Camp)に到着。
到着してすぐ、SpO2を測ると75。まだまだ回復しません。
(就寝直前で88→翌朝93→下界でもまだ95前後でした。)
少しだけ仮眠を取って夕食。スープはパンプキンスープ。
登山6日目
ラスト2時間
5時に起床し、朝食を取りました。
朝食にはお粥(rice porridge)が出ましたが、日本のと違って甘く作られています。
体調が良くない中で、失礼ながらあまり食欲が沸かず(作ってくれた方ごめんなさい)。
日本人は塩気が欲しくなるんでしょうか。持参した味噌汁やカリカリ梅が非常に美味しく感じました。塩や塩こんぶなどがあってもいいかもと思いました。
サブガイドは甘いお粥にさらに砂糖をかけて食べていました。食文化の違いってすごいですね。
6時25分、ムウェカ・キャンプを出発。
出発して約2時間20分、8時45分にムウェカ・ゲート(Mweka gate、1,641m)にゴールしました。
下山後、お土産購入・食事
ムウェカ・ゲート近くのお土産屋さんに寄ってもらいました。モシの町のお土産屋さんよりも品揃えが充実しています。
そして、モシに戻ってまた同じホテル(パナマ・ホテル)へ。5日ぶりにシャワーを浴びます。
今回案内された部屋は、シャワーの排水が悪かったです(笑)
ランチとディナーは、ユニオン・カフェ(Union Café)へ。
キリマンジャロのジオラマ?も置いてありました。
「基本的にはチップの習慣はないが、外国人の利用するホテルやレストランでは例外もある」との情報により、メニューに少しお金を挟んで店を出ました。
登頂証明書ゲット!
その後はホテルでガイドとのミーティング。登頂証明書をもらいました。
3つのピーク(ウフル・ピーク、ステラ・ポイント、ギルマンズ・ポイント)のうち、どれかに登頂すればもらえます。
翌日は、アルーシャ国立公園で半日サファリツアーです。その模様はまた別のページで。